HOME > 大判レンズの種類

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大判レンズといっても全て同じ設計ではありません。(写真1)のように焦点距離は全て300ミリですが、ご覧のとおりレンズの大きさ、シャッターの番数も違います。これらは撮影カメラや撮影目的によって選択することになります。「あるプロカメラマンが○◇□メーカーの○○ミリが良い。」と言っていたから私も買った、と言うような話を耳にします。これは絶対間違いです。そのプロカメラマンがコマーシャルかポートレートかネイチャーかまたはインテリアか等、どの分野なのかによって同じレンズでも評価が相違するのです。例えばポートレート系ではボケ味を大事にしますし、コマーシャルでは切れのある描写力を一番とします。また同じコマーシャルでも宝石や時計などの光りものを撮影する場合などによっても変化します。今回はまずレンズの種類を説明いたします。

【スーパーワイドレンズ】
包括角度が100度以上と大きめのイメージサークルを持つ広角レンズです。国産では65ミリから150ミリ位のレンズが用意されています。ドイツ系では更に38ミリや47ミリもあります。これらはカメラの引きが確保しずらい場所での撮影に効果を発揮します。代表的には建築、インテリア等です。もちろん風景写真での広角効果を狙った作品にも最適です。ただし風景写真では同じ90ミリでもF5.6のものやF8のもので選定を迷う場合がありますが、携行性や操作性を考えると多少絞りが暗くてもコンパクトなレンズを選んだ方が良いと思います。



【ワイドレンズ】
6枚玉で比較的広めの70度〜80度の包括角度を持つ、スタンダードタイプレンズで焦点距離100mm〜480ミリクラスです。焦点距離や開放値からもっともポピュラーで使いやすいレンズかもしれません。風景写真、ポートレート、コマーシャルにと用途は幅広いようです。


【コンパクトレンズ】
シンプルな50度〜60度の包括角度で、焦点距離200〜600ミリのレンズです。開放値はやや暗めですが、コンパクトなことも魅力です。カメラの持つフランジバック内なら風景写真にお薦めです。


【テレタイプレンズ】
250〜800ミリ位の焦点距離ですが、フランジバックを60〜70%少なくしている設計のため、テクニカルカメラなど蛇腹の制限のあるカメラで望遠効果を必要とするときに便利です。


【アポクロマートレンズ】
近接撮影用レンズで等倍撮影時に最良の光学性能をえられるように設計されたレンズ。小物の接写や指輪、時計などの光り物撮影に最適。


同じ300ミリの焦点距離レンズですがテレタイプ(左)広角タイプ(右)コンパクトタイプ(中)とレンズの大きさもシャッターも相違します。

「大判カメラマニュアル」(著:木戸嘉一)より抜粋

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